薬剤師が薬を間違えて患者に渡した場合の対処法は?すぐ行うべき行動マニュアルを解説

 

患者さんに薬を間違って渡してしまった!どうしよう!

そんな時、どう対応するかは非常に重要なことですよね。

薬剤師をやっていて、このような経験はあまりしたくありませんが、
人間が調剤を行っている以上、ヒヤリハットをすり抜けて間違って交付してしまうことも起きてしまいます。

本記事では、患者さんに間違ってお薬を渡してしまった場合に、まずはじめにどうすれば良いのか?
という対処法を解説していきます。

お薬を間違えて渡してしまった!そんな際の対応マニュアルは?

日本薬剤師会により「調剤行為に起因する問題・事態が発生した際の対応マニュアル 」が作成されておりますので
そのマニュアルに沿っていくのが良いでしょう。

こちらはぜひチェックしてみてください。

まずは患者さんの安全確保が第一

間違った薬剤を渡してしまったと気が付いた際に大事なのは、患者さんの内服事実の確認です。

何が起きたのかをしっかりと確認し、記録しておきましょう。

間違って渡してしまった薬剤を内服していなければ、最悪の事態は避けられる可能性が高いです。

対応マニュアル中のフローチャートについて

対応マニュアル中には事故発生後の対応フローチャートが記載されています。

まずはこのフローチャートに従い、必要事項を記録しておきましょう。

部分ごとに抜粋して解説していきます。

患者特定、薬剤使用の有無、何がおきた(起きている)のか確認、記録する

まずは間違った患者の特定を行いましょう。

そして薬剤が使用されたか、内服されているのかの確認、何がおきたのかを確認し、記録しましょう。

後から全て説明ができるようにしておいてください

この時に収集できる情報は非常に大事になってきます。

嘘偽りなく情報収集と可能な限り客観的な記録(時刻、対応者などの詳細も)を行いましょう。

マニュアルに対応例が記載してありましたので抜粋します。
非常にわかりやすい例なので、イメージトレーニングしやすいのではないでしょうか。

患者等から電話で薬局に連絡があった場合の対応(例)

①電話を受けた時点で、まず下記事項を確認しつつ、記録する。
限られた時間ではあるが、聞いた内容を復唱し言い忘れたことや間違いが無
いか確認しつつ、記録する。
1)患者の氏名、生年月日
2)電話をかけてきた人の名前(本人との続柄)
3)電話番号(連絡先)
4)どこの医療機関の処方薬か
5)どのような間違いか
6)服用(使用)前か後か
※服用(使用)後であれば
7)服用(使用)回数及び直近の服用(使用)からの時間等
8)患者がどのような状態か
救急処置が必要かどうかを判断し、必要な場合には受診を促す。

②こちらで処方内容や交付薬剤等を確認の上、折り返し電話する旨を伝える。
(相手の電話番号を確認し、一度電話を切る。)

③折り返し電話をする前に、処方箋記載の全ての医薬品と薬歴等を手元に揃え、
間違いが明らかな場合はその間違えた薬剤に関する情報もあらかじめ収集の
上、速やかに対応を行う(薬剤服用歴等の確認、処方箋、実際の医薬品の確
認)。

④電話での回答
電話で回答する際には、電話をかけてきた本人であるかを確認する。本人以
外には説明しない。本人不在の場合はかけ直すなどして伝言等で済まさない
。本人と話す際には、薬袋の順番に薬剤を確認し、患者の勘違いや交付薬以
外の薬剤ではないかなども確認するが、その際は患者の間違いを疑うという
態度ではなく、他には間違いがないかを確認するためなど、あくまでも事実
の確認のために行うものであることが伝わるように注意する。

 

 

得られた情報の整理・どのような事象か要点を整理する

情報収集がある程度終わったら、今後どのような事態が起こっていくのかをしっかりと考えましょう。

そのまま放置しておくと、事象の拡大が起こる可能性がある場合は
対策をうち、事象拡大の防止に努めます。

また、その事象が薬剤使用後(内服後)なのかどうかを確かめます。

ここが非常に重要です。

薬剤使用後であれば、本来必要のない薬剤が患者さんに投与されていることになりますので、必ず中止指示を出しましょう

患者の健康被害があれば調剤事故になってしまいます。

薬剤の使用がなく、健康被害がなければヒヤリ・ハット事例などに収集されますが、
内容に応じて非常に重大な事象につながる可能性があるなどの場合、調剤事故に分類されることもあります。

 

初期対応で得られている情報も含め、以下に示す点についての情報を得るように
努力し、その内容を整理、記録する。
○記録すべき項目
初期対応で得られている情報
追加すべき情報例
第一発見者(連絡者)、薬局内の連絡を受けた者及び時刻
患者の容体の変化(健康被害の有無)
調剤者(処方監査者)、調剤薬鑑査者、投薬者の特定
主治医、開設者、管理薬剤師、医薬品安全管理責任者への報告と、受けた指示の
内容及び時刻
主治医の指示に基づいた患者への連絡内容及び時刻
対象となる調剤済医薬品および薬袋の保全

受診勧奨・処方医への連絡等・薬剤師の過失か?

調剤事故となってしまった場合、患者に受診を勧めるとともに、処方医へどのような事象が発生したかを伝えます

薬剤師の過失が存在しなければ、説明により、患者に理解してもらうことになります。
今後の対応は主治医が行うことになります。

しかし、薬剤師の過失が存在した場合、調剤事故の場合は調剤過誤となります。

患者への説明、謝罪はもちろんのこと、薬剤の交換と過誤薬剤の回収を行います。

最後に、薬剤師会へインシデントレポートとして報告し、
薬剤師賠償責任保険窓口へも報告しておきます。

必要に応じて行政などへの報告も必要となってきます。

 

まとめ

本記事では、薬剤を間違った場合の対処法に関して、日本薬剤師会による調剤行為に起因する問題・事態が発生した際の対応マニュアルの概要を解説いたしました。

詳細に関してはPDFを熟読していただければと思います。

薬剤の事故は、時間との勝負でもありますが、パニックにならないように
あらかじめ対処法を頭の中に入れておくことが大事になります。

 

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マイナビ薬剤師
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